小山 裕己

三次元心臓モデルのリアルタイム形状変形を実現する
マルチタッチインタラクションシステムの技術開発

小山 裕己, 五十嵐 健夫, 井尻 敬, 稲田 慎, 黒嵜 健一, 白石 公, 中沢 一雄

医療情報学 (2014)

プロトタイプシステムの概観図.ユーザはマルチタッチインタラクションを通して心臓の三次元オブジェクトを変形させることで,効果的にその複雑な構造を把握することができる.

概要

心臓血管に関する医療において,心臓の三次元的な構造を理解することは心疾患患者の治療において極めて重要である.しかしながら,特にいくつかの心疾患においては,実際の心臓の構造は複雑であり,適切にそれを把握するのはしばしば困難である.そこで,われわれは心臓の構造を効果的に理解するための新しいマルチタッチインタラクション技術を開発し,さらに,教育・説明用途を想定したプロトタイプシステムの実装を行った.本システムでは心臓の三次元モデルは弾性体オブジェクトとしてシミュレートされている.ユーザはタブレット型コンピュータを用いて,心臓モデルの一部分をマルチタッチインタラクションによって引っ張って変形させるなどの操作を行い,心臓の内外の構造を観察することができる.医師を対象に本システムの初期評価を行い,実用化に向けての意見や要望をまとめた.

In cardiovascular medicine and surgery, an understanding of the 3-dimensional structure of the heart is crucial for successful treatment of patients with heart disease. However, the real anatomy of the heart is complicated in some structural heart diseases and it is often difficult to understand it appropriately. Therefore, we developed a new multi-touch interaction technique for better understanding of the heart structure. We also implemented a prototype system for educational and explanatory purpose. In our system, a 3-dimensional heart model is simulated as an elastic object that the user can manipulate on a multi-touch tablet computer. By using a pulling motion, the user can observe the external and internal structure of heart. We have demonstrated our prototype to medical doctors, and reviewed their comments and requests for future practice.

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発表文献

雑誌論文

会議発表等

メディア掲載

謝辞

本研究の一部は「循環器病研究開発費25-5-1」および「科学研究費補助金: 基盤研究(B)25282138」の助成を受けて実施された.国立循環器病研究センターの倫理委員会の承認(承認番号M24-75)を受けた.本ウェブページ上への論文原稿の転載を許可して下さった日本医療情報学会編集委員会に感謝する.